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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第57章 ◇第五十六話◇不穏のはじまり(上)【恋の行方編】


「実は、今夜は貴族や有権者の集まるパーティーがあるんだ。」

説明を始めてくれたのは、ワクワクした顔で私の周りをクルクル回っているハンジさんではなくて、さっきすごく安心した顔をしていたモブリットさんだった。
まるで、捕らえた巨人を前にしたようなハンジさんの視線が気になって気になって仕方がなかったが、私はとりあえず、今この状況を把握することに努めることにする。

「パーティーですか?」
「我々調査兵団がいつも資金繰りに苦労しているのは知っているよね?」
「そうですね…、いつもハンジさんが頭を悩ませていますね。」
「それで、パーティーに誘われると、必ず参加をして
 貴族や有権者に接待をして、資金の援助を申し出ているんだよ。
 まぁ、それは調査兵団だけではなく、どの兵団もしていることなんだけどね。」
「接待パーティーですね。大変ですねぇ。
 兵士さんってそんなお仕事もあるんですね。」

お金がないと人類のために命を捧げることも出来ないのか、と私は悲しい気持ちになって下を向く。
そして、私が着ているドレスが視界に入って、すごく嫌な予感に襲われた。

「今夜はもう会場まで出発しているはずだったんだけど、
 調査兵団に一番援助してくれている貴族が、
 急遽、このドレスを着てくるようにって送りつけてきてね。」

ソレなんだけどー。
そう言って、モブリットさんが指さした先には私が、いや私が着ている藍色のサテンドレスがある。

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