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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第50章 ◇第四十九話◇お手伝い【恋の行方編】


結局、夕飯が終わっても私はリヴァイ兵長の執務室に籠って書類仕事のお手伝いをさせてもらっていた。
壁外調査が終わったばかりで雑務等が増える時期はそろそろ終わり、来週からは次回の壁外調査に向けての準備のためストヘス区やカラネス区への出張も多くなるから、それまでに終わらせたいらしい。
このまま最後まで終わらせようとしていたスパルタなリヴァイ兵長だったけれど、さっきナナバさんから緊急会議が入ったと呼ばれて執務室を出て行った。
でも、残りはあと少しなので、これなら明日の午前中に終われそうだ。
私も、散らかった書類や資料を片付けてから執務室を出る。

「なんで、アンタがリヴァイ兵長の部屋から出てくるわけ?」

部屋から出てきた私を見て、眉をつり上げたのは若い女兵士だった。ジーニーは、いつも取りまきの女兵士を2人引き連れていて、今も彼女の後ろで私を睨みつけている。

「私のせいでリヴァイ兵長が右手が使えないから
 書類の代筆やまとめるのを手伝わせてもらっていたの。」
「へぇ~…、お手伝いねぇ…。 
 自分のせいでリヴァイ兵長に大けがさせておいて、よく平気で顔を合わせられるわよね。
 どうせ、無理言って部屋に入れてもらったんでしょ?いい迷惑。」
「それは…。」
「悪いと思ってんなら、リヴァイ兵長の周りをちょろちょろするのをやめたら?
 その方がよっぽどリヴァイ兵長のためになると思うけど?」
「本当だよね~、兵団から逃げたままでいればよかったのに、
 どうして戻ってきたの?」
「ルルがいないと何もできないくせにね。」

友人たちに同調してもらって、ジーニーは勝ち誇った顔で私を見下す。
ルルやマレーネ達と仲良くしてからは、悪意を向けられることは少なくなったが、それでもこうして何か言われることは少なからずあった。
いつも決まって私が1人のときだけだった。
それに、ルルが気づいていたかは分からない。
でも、時間が許す限りルルが私のそばにいてくれたのは、もしかしたら、こういう言葉や視線から守ってくれていたということなのかもしれない。
理不尽なことを言われることもあったけれど、今はどう考えても彼女達の言う通りで、何も言い返せなかった。

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