【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】
第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】
ペトラが決意した何かを、私はちゃんと受け止めよう。
そして、それでも私はリヴァイ兵長が好きなのだとちゃんと伝えよう。
そう思いながら言葉を待っていた私は、肩透かしを食らった。
いや、信じられなかった。
「どういうこと?だってー。」
だって、私がリヴァイ兵長のことを好きだと言ったとき、ペトラは傷ついた顔をした。
あれは、リヴァイ兵長に切ないくらいの恋をしている表情だった。
だから私は、緊張して不安でー。
「私がずっと悩んでるときに、そばにいてくれた人がいてね。」
ペトラは眉尻を下げ、少しだけ照れ臭そうにしながら続けた。
「本人は励ましてるつもりなんだろうとは思うんだけど、
傷はえぐってくるわ、イラつかせるわ、笑わせるわで、もう最悪でさ。
気づいたら、私、リヴァイ兵長よりソイツのアホさ加減ばっかり考えてて。」
困ったような笑みは、どこか嬉しそうで。
頬を染めて笑うペトラが、凄く可愛らしくて。
私には、恋をする乙女の表情にしか見えなかった。
だから、すごく混乱した。
リヴァイ兵長の話をしている切なそうなペトラも、恋をしているように見えたから。
でも、ペトラはそんな私に清々しいくらいに明るい笑顔で言う。
「これからは、恋のライバルとしてじゃなくて、
恋を応援し合う仲間として、一緒に楽しく恋の話しようねっ。」
あぁ、それはきっと嘘じゃない。
邪な気持ちなんて欠片もない、綺麗な彼女の笑顔がそう教えてくれた。