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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


「もういいよ。大丈夫っ。」

ペトラの綺麗な笑みに胸が痛んだ。
どうして、こんなに優しいんだろう。
彼女が、リヴァイ兵長の心を掴めなかったのに、私が振り向いてもらえるわけないー。
そんな私が、彼女の恋の邪魔をしていたなんて。
どうしようもなくやるせない気持ちになる。

「だから、キスはしてないけど、おでこにはキスしようとしてたってことで、
 私もリヴァイ兵長も、半分本当で半分嘘なの。」
「…そっか。…本当にごめん。」

私がもう一度謝ると、ペトラはこの話もいつかはするつもりだったのだと言った。
壁外調査の前日、本当はもう終わっている告白を、今初めてするように私に言ったのもにもペトラの考えがあったそうだ。

「もしも、が私の告白を止めたら、旧調査兵団本部の塔に来たら、
 私、リヴァイ兵長のこと諦めるつもりだったの。」

ペトラが私をまっすぐ見る。
あのときの目だ。
壁外調査前日、私にお願いがあると言って、リヴァイ兵長への気持ちを告げたとき。
そして、巨人捕獲作戦の前、リヴァイ兵長は諦めないと宣言したときと同じ、まっすぐで強い目。

「でも、は、私にだけじゃなくて、自分の気持ちにも嘘を吐いた。」
「…うん。」
「だから、私はリヴァイ兵長を諦めないことを決めた。
 あのとき、リヴァイ兵長にもそう言った。」

でもー。
ペトラはそう続けた後、口を閉ざした。
私は、続きを促そうとはしなかった。
私がそうしなくても、何かを決意したらしい強い瞳のペトラは話すと思ったからだ。
想像通り、少し時間をかけてゆっくりとペトラの口が開いた。

「私、心変わりしちゃったみたい。」
「そっか…。…え?」

可愛い笑顔のペトラの前で、私はきっととてつもなく間抜けな顔をしていたに違いない。
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