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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


その姿がなんだかとってもいじらしくて、可愛くて、リヴァイ兵長はどうして彼女のことを好きにならなかったのだろうと本気で不思議に思った。
だって、リヴァイ兵長に一番近い女性は誰かと聞かれたら、きっとみんながペトラだと言うと思う。
リヴァイ班のメンバーは、それ以前も精鋭兵としてリヴァイ兵長を支えていたと聞いている。
きっと、ずっと前から、ペトラはリヴァイ兵長を想って、優しい気持ちを送り続けていたのだろう。
それに、ペトラはとても可愛いし、モテる。
まわりをよく見ていて、世話焼きで気が利くし、優しい。
そして、兵士としての実力だけではなくて、本当の意味で彼女は強い。
人類最強の兵士の隣に立っていても、誰も文句をつけられないくらいにお似合いだ。
リヴァイ兵長が彼女に惹かれる要素なんて、たくさんあるのにー。
無意識にそんなことを考えてしまってから、ハッと気づいて落ち込む。

「大丈夫?聞いてる?」
「あ…!ごめん、大丈夫。聞いてるよ。」
「それならいいけど…。
 それで、私の必死のお願いにリヴァイ兵長は根負けしてくれて
 おでこならって言ってくれたの。」
「おでこ…。」

私は自分の額に手を触れる。
そういえば、あのとき、リヴァイ兵長はペトラの前髪に触れていた。髪をかき上げて、近づいていく唇の行方は、そういえば唇よりも上の方だった気がする。

「まぁ、結局は、に邪魔されて最後のお願いは叶えてもらえなかったんだけどね。」
「あ…!あのときは本当に、ごめんなさいっ!
 邪魔しようと思ったわけじゃないんだけど、むしろ逃げようとしてたところであって!
 それで…!本当にごめん!!」

真相を知った今、とんでもない邪魔をしてしまったことを理解して申し訳なさ過ぎて、頭を下げた。
必死の勇気とお願いを、私がすべてダメにしてしまっていたなんて。
あのときのペトラの悲しそうな顔が頭に浮かんだ。それでも、彼女は、私が粉々にしてしまったティーカップの欠片を拾ってくれて、気にしないでと微笑んでくれてー。
今だってー。

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