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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


「私、ペトラ。今いいかな?」

あとでちゃんと会わなくちゃーそう思っていた人物の訪問に、驚いた。
本当は、あのティーカップに勇気をもらってから会いに行くつもりだったから。
でも、それもきっと言い訳だ。

「どうぞ。ちょうど会いたいと思ってたの。」

ソファの上に散らばる書類を簡単に片づけてから扉を開けた私は、ペトラを部屋に招き入れる。
もっと早く来るつもりだったが、ハンジと今後のことにつて話しているのではないかと気を遣っていたらしい。
今後のことについての話もあったけれど、心が死んでいた私が結果的にサボってしまっていた壁外調査報告の書類の山が残っていて、その後始末の話が主だったと教えてやれば、可笑しそうに笑われた。
こっちは、笑いごとではないのだけれどー。

「これ、の大切なものだと思って。
 私が預かってたの。」

ソファに並んで座った後、ペトラが私に渡してきたのはあの天使の羽のティーカップだった。
以前、私の部屋で一緒に紅茶を飲んでいるとき、彼女にはこのティーカップがリヴァイ兵長からの入団祝いだということは話していた。
あのときは、私はまだリヴァイ兵長への気持ちがないのか、自覚していなかっただけなのか、特に何も思うことはなく紅茶の話題にした。
ペトラがどう思うのかなんて、考えもしないでー。

「ありがとう。なくなってたらどうしようと思ってたから、すごく嬉しい。
 これは…、これは、私の大切な宝物だから。」

私の発言に、テーブルの上の書類に伸ばしていたペトラの手が、一瞬だけ動きを止めたように見えた。
でも、まるで何もなかったかのように書類を手にしたペトラは「それならよかった。」と微笑んだ。

「書類の内容は、私達リヴァイ班とあんまり変わらないんだね。
 してたこともほとんど同じだもんね。
 これなら、手伝ってあげられるよ。」

書類を見ながら話すペトラは、まるで、それ以上、ティーカップの話は聞きたくないと言っているように見えた。
私が緊張しているから、そう見えるだけかもしれない。
でも、今がチャンスだ。
ちゃんと言わないといけない。
ペトラは気持ちを教えてくれたのに、私だけ嘘をついたままなんてフェアじゃない。
それに、このままじゃ、私はリヴァイ兵長をまっすぐ好きでいられないー。

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