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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第47章 ◇第四十六話◇おかえり【調査兵団入団編】


「リヴァイ兵長とのアッツーーイ抱擁をおれ達で再現しようぜ!」

ユミルの悪乗りに、バカなコニーとサシャが乗っかる。
そして、本当に熱い抱擁を交わして、大爆笑を誘っている。
リヴァイ班まで口を開けて大笑いしているけれど、いいのだろうか。
明日からの訓練、彼らは生きていられるだろうか。
ペトラなんて、涙を流すほど笑っている。
演技だとしても、私とリヴァイ兵長の話を聞いて、平気なのだろうかー。

『私、リヴァイ兵長のこと諦めないから。』

ペトラの言葉が蘇る。
彼女は自分の気持ちに正直で、いつも強かった。
いつだってリヴァイ兵長のことを一途に思って、大切にしていた。
私はこれから、彼女の恋敵になってしまうのか。
ズキリ、胸が痛んだ。
リヴァイ兵長のことは何とも思っていないと嘘をついていた分だけ、私は彼女のことを傷つけてしまうかもしれない。
でも、もう逃げないと決めたー。

「おい、てめぇら。死ぬ覚悟はあってそんなくだらねぇことしてんだよな。」

ついに、じーっと耐えていた悪魔が動き始めた。
一目散に散っていくリヴァイ班を筆頭に、空気を読むというスキルを持っているものはスーッと存在感を消していく。
そんな中、サシャとコニーはリヴァイ兵長から飛び蹴りをくらって、どこか遠くへ吹っ飛んだ。
うまく避けて逃げて行ったずる賢いユミルと違って、本当に馬鹿な子達だ。
したくもない演技をさせられて、死ぬほどご立腹な上、空気の読まないハンジさんのせいで怒りを増幅しまくっている悪魔を、なぜわざわざ目覚めさせるようなことをするのだろう。
だから、諸悪の根源である私は、恥ずかしさと申し訳なさも手伝って、目も合わさないようにしているのにー。
吹っ飛んでいったサシャとコニーを、世話焼きのペトラが慌てて追いかけて行った。
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