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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第33章 ◇第三十二話◇報告【調査兵団入団編】


「調査兵団の入団前に別れちゃったけどね。」

そういえば、いつの間にかルーカスのことを思い出すことがなくなっていた。
調査兵団に入ってからいろいろあったというのもあると思う。
でも、一番は、リヴァイ兵長に恋をしたからだろう。
最近の私の頭も心も、リヴァイ兵長でいっぱいだったから。
その恋も、友人の恋のために終わらせると決めたのだけれどー。

「ストヘス区に住んでる貴族出身で、
 背が高くてイケメンですごく優しい素敵な人ってハンジさんが言ってた。」
「そうだね、みんな、そう言ってたよ。」
「はそう思ってなかったの?」
「そんなことないよ。
 もちろん、思ってたよ。私には勿体ない人だなぁっていつも。」
「すごく素敵な人だったんだね。」
「うん、そうだね。」
「ねぇ、そんな素敵な人と別れたこと、後悔したりしないの?」
「しないよ。」

迷いなくキッパリと答えた自分に驚いた。
でも、思い出すこともなくなっていたのだから、自然な反応だとも思う。
別れたきっかけは、調査兵団への入団だったかもしれないけれど、迷いのあるままルーカスと結婚をしなくてよかったと思う。
あのまま結婚していたら、私はきっとルーカスを不幸にしていた。
心から愛していたわけではないのだと、今の私は分かっているから。

「どうして?その人と結婚したら、ストヘス区に住めたし
 ツラい訓練なんかもしなくてよかったんだよ。
 調査兵団に来たせいで、たくさんツラい思いしたでしょう?」

確かに、ペトラの言う通りかもしれない。
あのとき、調査兵団への入団を断ってルーカスと結婚するという未来もあった。
そしたら、私は、巨人と戦わなくてもいいし、むしろ内地の安全なところで守られて生活していたはずだ。お洒落をして、ルーカスと美味しい食事を共にしていただろう。
その代わり、家族はトロスト区で常に巨人の脅威に晒され続け、ルーカスは偽りの愛に騙され続け、私は一生本当の愛を知らずにいたー。

「ツラい思いも出来ない生活が、どんなに不自由なのか知ってしまったからかな。」

家族は元気で、笑い合える友人もいた。素敵な恋人もいて、お洒落をして自由に出かけることも出来た。
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