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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第33章 ◇第三十二話◇報告【調査兵団入団編】


今朝は、悪夢で頭がいっぱいでペトラがどんな顔をしていたのかは見ていない。
大聖堂に来てからのペトラは、普段通りだった気がする。
恋が実って飛び跳ねて喜んでいるような雰囲気もなければ、失恋に悲しんでいるような様子もない。
リヴァイ兵長もいつも通りクールだった。そもそも、あの人が恋をして変わるとも思えないけれどー。
そもそも、リヴァイ兵長が恋をすることってあるのだろうか。
似合わない。全然似合わない。
どうしよう、全然似合わない!

「、1人で階段に座り込んで頭抱えてどうしたの?」
「え?あ、いや、変な妄想しちゃって。」
「妄想?」
「私のことはいいの。
 それより、昨日の夜はどうだったの?」

私が訊ねると、ペトラは少し口元に笑みを浮かべた。
あぁ、恋が叶ったんだー。
そう思ったけれど、その後、ペトラから出たのは真逆の言葉だった。

「ダメだった。」
「ダメ…。」
「私のこと、大切な部下だと思ってる、って。」

階段に座る私と向かい合うように、ペトラは反対の壁に背中を預けた。
少し顔を上げてそう言ったペトラの表情は、切なげな声の印象とは対照的に、晴れ晴れしているように見えた。
気持ちを伝えられたことで、彼女を心の中で悩ませていた何かが昇華されたのかもしれない。

「そっか…。」
「うん、分かってたんだけどね。」
「それで、キスは、してくれたの?」

気持ちが届かなくても、想い出を1つでいいからもらいたいーペトラはそう願っていた。
気持ちをすべて伝えたから満足しているのなら、そのお願いも伝えているのだろう。
リヴァイ兵長は受け入れたのだろうか。
2人は、キスを交わしたのだろうか。
一瞬だけ言い淀んだペトラは、視線を上げた後に私を見た。
そして、思いも寄らないことを訊ねてきた。

「リヴァイ兵長から聞いたんだけど、って婚約者がいたの?」
「え?」

意外な質問にも、それをリヴァイ兵長から聞いたということにも驚いた。
そんな話を昨日の夜にしたのだろうか。
リヴァイ兵長とペトラは一緒にいることが多いから、昨日の夜とはまた違うところでそういう話題が偶々出たのかもしれない。

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