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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第33章 ◇第三十二話◇報告【調査兵団入団編】


それを、幸せな生活だと人は言うのだろう。
私もそう思う。そう思っていた。
でも、調査兵団に入団して、彼らの生き様を見て、私には何もないことを知った。
ただなんとなく、目の前に用意されているもので満足しているつもりになっていたつまらない人間だった。

「今は不自由じゃないの?」
「まさか!食事は質素だし、ベッドは硬いし、挙げ句の果てには、巨人のお庭で野宿だよ?
不自由すぎるよ」

困ったように言えば、その通りだとペトラが笑う。

「でも、心が不自由なのが1番つまらないんだって知っちゃったから。
今は、充実してるかな。」
「じゃあ、を調査兵団に勧誘したリヴァイ兵長達のこと恨んでないの?」
「最初は確かに恨んだけど…、今は感謝してるよ。」
「感謝?」
「こんな私にも出来ることを見つけてくれて、仲間にしてくれたんだもの。
 私は今、生きてるんだって自信を持って言える。
それは、私に生きるってことがどういうことなのか教えてくれた調査兵団のおかげだから。」

さっき、ペトラの表情を晴れ晴れしていると思ったけれど、今の私も同じような表情をしている気がする。
なんとなく朝起きて、仕事に行って、友人とお喋りしながら時間を過ごして、みんなが素敵だと褒めてくれる恋人となんとなく結婚しようとしていた。
それを、幸せだと信じ込んでいた。
こんな世界があることを、私は知らなかった。
知らないと言うのがどんなに不自由だったのか、教えてくれたのはハンジさんで、命を懸けても守りたい仲間を与えてくれたのがエルヴィン団長。
そして、リヴァイ兵長は私に、本当に誰かを好きになるのが、どんなに苦しくて切ないのかを教えてくれたー。

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