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【リヴァイ】いつか地平線を眺めるなら【進撃の巨人】

第33章 ◇第三十二話◇報告【調査兵団入団編】


会議を終えた私は、ペトラを探してリヴァイ班のいる地下へと向かっていた。
巨人化の力を少しずつ使いこなせるようになってきたエレンだが、まだ不安定なところがある。
そのため、エレンは、万が一、自分の意志が届かないところで巨人化してしまったときの配慮として、地下での寝泊まりが命じられている。
そのため、ペトラが所属するリヴァイ班のメンバーは、他の兵員と同じように地上階での寝泊まりではあるが、エレンが寝るまでは地下で彼を見張り続けるようにエルヴィン団長から指示が出たのだ。
地下まで下りると、エレンが怒っているような声がした。笑い声も上がっているから、またいつものようにエルド達がエレンをからかっているようだ。

「楽しそうだね。」

地下の一番奥の部屋、そこがエレンが用意された部屋だった。
思ったよりも広い部屋で、中央には4人掛け程度のテーブルが配置してあり、ソファまで置いてある。
誰も座っていないところを見ると、座ることが出来ないくらい古いソファなのかもしれない。
ここは、以前までは大聖堂に泊まりこんでいた誰かが使っていたのだろうか。
私が中に入ると、古くなったテーブルを囲んで話していたエレン達がこちらを見た。

「さん!早速、巨人を倒したらしいですね!
 お疲れ様ですっ!!」

なんとも嬉しそうに瞳をキラキラとさせて、エレンが駆け寄ってきた。
トロスト区に巨人が襲来した時、エレンを含む104期訓練兵は戦闘に駆り出されたと聞いている。
さらには、エレンの母親のことも、ミカサとアルミンから聞いたことがある。
巨人への恨みは、人一倍ある、とー。

「ありがとう。エレンも明日はよろしくね。」
「はいっ!」

エレンが元気に返事をする。
やる気満々なのがとても伝わってくるのはいいのだが、明日は巨人を倒すのではなく、生きたまま捕らえることだと理解しているのだろうか。
不安だ。

「会議お疲れだったな。何か新しい情報はあったか?」
「ううん。少なくとも私が聞いたのは今日の報告と明日の確認だけだったよ。」
「まぁ、ただの移動日だしな。」

エルド達の元へ行き、会議の報告を兼ねてお喋りをした後、私はペトラを部屋から誘い出した。
ずっと気になっていたことを訊ねるため、階段の下まで連れて行く。
不安と、期待とは違う何かが私の胸を支配していた。
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