【IdentityV】ゲーマーでオタクで何が悪い【第五人格】
第2章 こんにちはサバイバーの皆さん
案の定、具材は限られていた。
エミリーさん曰く一週間分が週末に届くから、それを配慮して作らないといけないとのこと。今は四日目。あと三日持たせないといけない。
……というのにさっき焦げちらかしたせいなのかほとんど残っていなかった。
「うせやん。……んんん」
スープものがいいだろうか。米は通用するのだろうか。食べやすいならパンの方が……とグルグル考えていると、妙案が思い浮かぶ。
「そうだ、カレーやスープ物なら三日程度持つし、味変もできる」
そう思いついて掃除をしながら取り掛かることにした。
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量も量なのを考えていなかった。くそ重い。
今のシーズン、俺合わせてサバイバーは25人。軽い給食レベルだ。
配膳して、パンとほうれん草のソテーをのせる。我ながら美味そう。
この人数、食堂にこれ持っていくのはキツいだろうと当たりを見渡すと、しっかりとした配膳車があった、よかった。
ガラガラと隣の食堂まで運ぶ。
すると見知った顔が数人座って談笑していた。
匂いと音でさすがに気づいたのか視線が刺さる。
曲芸士、一等航海士、カーボーイ、踊り子、バーメイドだ。
「お初にお目にかかります。新しく配属された武人の悠斗です。エミリーさんから話を聞き、食担当を一時変わらせて頂いておりました。」
ぺこりと日本式の挨拶でお辞儀をする。
すると敵意がないことに気づいたのか、空気が少し和らいだ気がした。
デミ「よろしくね、私はデミバーボン。バーメイドだよ」
マイク「僕は曲芸士のマイク。よろしく!」
ホセ「ホセバーデン。一等航海士だ、よろしく」
ガヴィン「ガヴィン。カーボーイをしている。よろしくな」
マルガレータ「マルガレータよ。踊り子なの。よろしくね」
「皆さんよろしくお願いします」
マイク「芸者に似たような服を着てるんだね!」
「恐らく国柄は一緒ですので」
マルガレータ「これ、美味しそうね!早く食べてみたいわ」
「ありがとうございます。他の人を呼んでくださると助かります」
ガヴィン「なら、行ってくるとするか」
ホセ「私も手伝ってこよう」
「ありがとうございます」
やはり、ここの人達は団結力が違う。早い。そして受け入れが早い。
気張っていたのが損みたいじゃないか。好き。