【IdentityV】ゲーマーでオタクで何が悪い【第五人格】
第2章 こんにちはサバイバーの皆さん
「なら俺も手伝いに行ってきます。」
夏休み引きこもり生活をしようとしていた俺でも、コンビニ弁当を買うなんてことは許されない。親もそこまで優しくないし、コンビニ弁当買うくらいなら自腹で買えという家だ。それなら課金に回す。
親は夏休みなんて無いし父子家庭だから家に誰もいないなんてざらで、自炊をする事が暗黙の了解。ならその中でも美味しいものを食べたいと思ってしまう。故に料理は得意だと自負してる。
「自己紹介もしておきたいですし」
そう言うと四人の顔が少し柔らかくなった。そんなに不味いのか。
エミリー「助かるわ、けれど、それ、治療してからね」
「あっ」
痛くなかったといえば嘘になるが、好きな人達が目の前で話してれば痛みなんて忘れてた。うん、痛い。
「すいません、お願いします」
そう言ってエミリー先生の後に着いていった。
エマ「不思議な人なの~!」
ノートン「……」
イライ「そうだね、僕らも部屋に戻ろう。夕飯はもう少しかかりそうだし……ノートン?」
ノートン「……ぁあ、何でもないよ。行こうか」
・--・-・--・-・--・-・--・-
手当をされ、包帯を手厚く巻かれ、とりあえず用意されていた自室へ案内される。
案内される前にコートは洗濯機の中へ入れてきた。
エミリー「ここが今日から貴方が住む部屋よ」
がちゃりと扉を開けると木造りの机、椅子、本棚、ベッド、クローゼットが一個づつ。本棚には友達と趣味でやるゲームの戦術ノートや、クトゥルフ神話TRPGの呪文集など、自分で手書きでかきとめたノートしか入っていなかった。.........せめて普通の本が欲しかった。
ノートも現代のキャンバスノートというよりは、皮で出来た表紙のものに変わっていた。内容は変わっていなかったが。
クローゼットにはしっかりと変えの和服が詰まっていた。
……和服というよりは花魁が着るようなゴテゴテした着物が二着入っていたのは見てない。うせやろ。
あれ俺の限定衣装だったりする?
……うん、ごめんね何時もメイド服を面白いからって理由で着せてた幸運児くん。ちょっと、いや結構罪悪感とこれを着るのかというもやもやした気持ちしかない。やだ。
エミリーさんには一度出てもらって、普通の和服に着替え直して出る。
...さて、厨房はどうなっていることやら。