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悪役になりたいので、まずはフリから始めます。[鬼滅の刃]

第3章 愛されたい柱の話。


 その時は唐突にやってきた。親が殺されたのだ。父は酔っ払いに突っかかって組み合いになった末、橋から突き落とされたらしい。継母はいつも遊んでいた男にフラれてから、ちっとも男に遊ばれなくなりストレスで死んだ。

 私?そりゃあ泣いて喜んだ。クソ最低な両親が消えたんだもん。もう暴力振られることはない!あんな暴力世界とはおさらばだ!
 …そう思っていたんだけどね。















 親が死んで数日が経ったある日、ぶつかってきた不良、とかヤクザ、とかいう人たちに絡まれて。非力な私はすぐ倒れかけた。でも、「死にたくない」という感情が出てきて。

 「お願いがあります。私をどう使っても構いません。殴っても蹴っても何でもしていいです。だからあなたたちのところにおいてもらえませんか」
 咄嗟にこう、口にしていた。これが恐怖と暴力の日々の再来とは知らず、ね。



 なんであんなこと言ったんだろう?私は今でも後悔してる。詳しくは言わないけど、色んなジャンルの暴力を受けた。殴ったりけったりするのは日常茶飯事に戻ったけど。


 この頃になると、もう「痛い」も「苦しい」も「屈辱」も何一つ感じなかった。たまに「恐怖」は感じてたけど。ただ、「食を与えられてるだけ幸せ」と思うほかなかった。あの時は食べ物も自分で調達してたし。


 分かったこともある。「人はこんなにゲスい顔する」こと。親が死ぬ前も思っていたけど、人間って本当に欲に従順なんだね。ストレス貯められないんだね。なんか、愉快だ。



 私は運がいい人間だと思う。何故かって?この後に起きた話を見ればわかるよ。
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