悪役になりたいので、まずはフリから始めます。[鬼滅の刃]
第3章 愛されたい柱の話。
一時間後。
本気になってやっても、師匠の頸には…いや、体にもかすり傷一つつかない。
あきらめかけても師匠が
「もう終わり?私はまだまだ体力有り余っているぞ。そのくらいで疲れるとかちょっと人間として終わっているよ」
なんて言ってくるものだから、イライラして「まだまだ!」と言ってしまう。
いや、人間として終わっているのは師匠の方でしょ。その超人じみた体力とか。化け物でしょ。
さらに何度…いや何十回も戦って組み伏せられて、木刀を突き付けられた。そんな私を見て師匠は、敵に塩でも送ろうとしたのか、突然言った。
「莉愛!彩の呼吸を使え!私に勝つにはお前が極めた、お前にしか使えないあの型だけだ!!」
はっきりと言おう。「彩の呼吸」のこと、忘れていた。
「いまさらそんなこと言わないでくださいよ師匠!見てわかる通り私は疲労で大変なことになっているんですよ!?」
「そういっている時点でまだまだだな」
師匠は馬鹿にしたようにそう言う。…結構イラっと来た。
私は怒りに任せて、師匠に刃を向ける。そんなに言うなら使おうではないか。そう思いながら。
「彩の呼吸 拾壱ノ型 彩夜月(さいやづき)」
でも
まさか本当に当たって、師匠の頸が切れるとなんて思ってもいなかった。
―――――――――――
師匠の頸が切れた。それがゴト、と音を立てて地面へ落ちた瞬間。師匠の体が、頸がまるで焼かれているみたいに音を立て、灰へと徐々に変化した。
師匠が消える、そう直感が告げた。
こんなの聞いてない!自分で斬っておきながらそう思い、私は師匠に駆け寄る。
「ふざけんなですよ師匠!どうなってるんですか!貴方、私を置いて勝ち逃げするつもりなんですか!?」
師匠は淡々と事実を告げる。
「お前は私に勝った。これが、その証拠だ。お前にはもう教えることはない。そして、お別れだ。帳面、ちゃんと見ろよ」
そして、師匠は本当に灰になって、まるで溶けるかのように消えた。
_________________________
作者です。
何言ってるか分かんなくなってきました。
ていうかこれ作ってから一ヵ月たったのにこれしか進んでないって…。
あと少しで冬休みなので、大量更新目指して頑張ります。