• テキストサイズ

弱ペダ短編集

第7章 木漏れ日の下で(新開隼人)


「ねぇ、茉璃。私に隠してることあるでしょ」

そう行って早希ちゃんは私に詰め寄ってくる。
早希ちゃんは親友だけあってこういうところには鋭いのだ。
だけど私もやすやすと話してしまうわけにはいかない。

新開くんと約束したあの日、私たちはもう一つ約束を交わした。
”ウサ吉の面倒を見ていることは口外しないこと”
それは新開くんがウサ吉と私を想って決めてくれたことだ。
もし、新開くんがウサギを可愛がっていると知ったらファンの女の子たちは確実にウサ吉の元へ向かうだろう。
それは人見知りのウサ吉のストレスにも繋がってしまう。
そして新開くんが可愛がっているウサギを特定の女の子に任せているということが知れてしまっても、きっと大変なことになってしまうかもしれない。
という新開くんなりの配慮なのだ。

「な、何もないよ!」
「なんか怪しいんだよな」
「そ、そんなことなって!」

早希ちゃんはいつになく私を疑った目で見ている。

「茉璃、やっぱりあんた新開くんと付き合ってるでしょ!」
「付き合ってないよ!」
「でも最近新開くんと話してること多いし、いつの間にか連絡先交換してるし、さりげなくいつもバキュンポーズされてるよね?」
「もう…またその話?」

確かに早希ちゃんのいうとおり以前より新開くんと話すことは多くなったし連絡先も交換してる。
それからバキュンポーズとやらも早希ちゃんを除く他の女子に見られないようにさりげなく毎日されている気がする。
/ 74ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp