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弱ペダ短編集

第7章 木漏れ日の下で(新開隼人)


お昼休み。
私はまた裏庭に来ていた。
いつもなら教室で早希ちゃんと食べるのだが今日は彼氏との記念日らしく2人で食べるのだと言う。
教室で一人で食べても良かったのだが、今朝のことがあって何と無く居づらかったのだ。
いつも通り木の下に座り弁当を広げていると見覚えのある姿が目に入った。

「あれ?ウサ吉くん?またここに来たの?」

そう話しかけおいでと自らの足の上をポンポンと叩くとウサ吉はすぐに私の足の上に登る。
その状態のまま弁当を食べようと箸を手にすると向こうの方からウサ吉を探している様子の新開くんがやって来た。

「また茉璃ちゃんのところにいたのか、ウサ吉」

そう新開くんが話しかけるとウサ吉は一瞬新開くんを見てそのまま私の足に顔を埋め寝始めてしまった。

「本当に茉璃ちゃんのことが好きみたいだな、ウサ吉は」

そういう新開くんのかおはなんだか嬉しそうだ。
そのまま私の隣に腰を下ろしパンパンになっている購買の袋からおにぎりを取り出した。

「その量…誰かの分も一緒に買って来たんじゃないの?」
「ん?いやこれは一人で食べる分だ。オレ、いつもウサ吉と寿一、それから靖友と一緒に昼飯食ってたんだけど今日はこいつ自分の飯食い終わった瞬間飛び出して行っちまってさ」
「そ、そうだったんだ」
「ウサ吉が飛び出して行ったからまさかとは思ったけど、本当に茉璃ちゃんがいるとはな」

そう言いながら新開くんは大量のおにぎりを平らげていく。
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