第7章 木漏れ日の下で(新開隼人)
次の日。
いつも通り登校するとなんだかクラスの、主に女子が騒がしい。
そして登校して来た私を見つけるとその女子たちが一斉にこちらに詰め寄って来た。
「富永さん!昨日新開くんと帰ったって本当?」
その質問に昨日のことを思い出し少し顔が熱くなる。
すると周りはその様子を肯定ととったようでさらに女子たちは詰め寄って来た。
「新開くんと付き合ってるの?」
「新開くんとはどう言う関係!?」
「えっと、どう言う関係でもないと言うか…なんと言うか…」
女子たちの怒涛の質問にたじろいでいると一斉に女子たちの視線が私の頭の上に移動したことに気がついた。
何事かと思い後ろを振り返ると超至近距離に新開くんが立っていた。
「し、新開くん」
「茉璃ちゃん、おはよう」
新開くんは他の女子たちには目も向けず私にだけに挨拶をしそのまま自らの席についた。
私の周りにいた女子たちは何やら少し文句を言っていた気がしたがすぐに私の周りからいなくなり新開くんの元へと向かう。
「ふぅ…」
「お疲れ、朝から大変だったね茉璃」
ため息をついている私に話しかけてくれたのは親友の早希ちゃんだ。
「ありがとう、早希ちゃん」
「で、何があったのよ。昨日は新開くんと帰ったの?」
「う、うん。昨日ちょうど放課後にあって少し話してたら遅くなっちゃって…それで家まで送ってくれたんだ」
「新開くん寮暮らしなのに!?優しい!やっぱりイケメンは違うわ。それで、付き合ってるの?」
「付き合ってないよ!」
「なーんだ」
「ちょっと早希ちゃん面白がらないでよ!
「ごめんごめん」
そういうと朝のチャイムが鳴り響き、早希ちゃんはいたずらっ子のような笑顔を浮かべながら自分の席へと戻っていった。