第8章 漆ノ刻~運命の夜~
檜「わ、悪い! まだ寝巻き姿だったなんて…」
いい感じにはだけたその装束からは、白い肌が覗く。ぶかっとした寝巻きは彼女の可愛さを相乗している。寝起きなのか、美しい金色の髪の毛はボサボサで、赤い目をシパシパさせてこちらを見つめている。
昨日の鍛練を思い出しては、1人で致していた彼女の…胸。それに、白くハリがある細い太腿とその先にある淡い水色の布地…。…割とシンプルなのを履いているんだな…。
「…『瀞霊廷通信』ありがとうございます。その…着替えたいんですけど。それに…その…ソレ……大きくなって、ます…けど…」
檜「あ、ああ! その…すまなかったッ!!」
たまらずその場所から逃げ出すように駆け出した。身体が熱い。また昨日みたいに、油断すれば理性を失い襲ってしまいそうだ。…普段あんな無防備な姿、同じ隊士にも見せないだろうに。朝早く来てしまったからか? いやでもあんな姿を見れたのはラッキーだった。それに下着も…。昨日と今日だけで…1人でする材料が…。いやいやそれは彼女に対して失礼だ。侮辱にあたる。…でも、あんなあられもない姿…何も思わない男はいないだろう。
やっぱりカワイイな…アイツ。綺麗だし…強いし…文句なしだ。…そういえば、逃げようと必死であまりアイツの声が耳に入ってこなかったけど…俺のコレに反応してた…よな? つまりアイツは…そういう関係をもったことが…。いやでも、どこか恥ずかしがっていたように見えたしまだ初めてなんじゃ…。いやまてまて、冷静になれ俺。相当気持ち悪いぞ。
(…また胸でも見てたのかな)
九番隊副隊長さんが駆け出して行った後に残ったのは、地面に転がる『瀞霊廷通信』だった。今思えば、これは相当あられもない姿じゃん。こんなにはだけるのは寝相が悪いから…なのかな? よくよく自分の姿を見てみると、胸は…まあギリギリセーフだけど。
(…パンツ見られちゃったかな)
下肢を見ると、袴部分がはだけ割と丸出しな感じだ。色気も何も感じられない薄く淡い水色のパンツ。巫女なのでここらへんは清純なんですよ…ええ。…いや、冷静に考えれば嫁入り前の女がこんな姿を見られたら、相当動揺するのが普通なんじゃないか? 何故私にはそのような感情が欠如しているのか…。でも、この場合不可抗力なんだし、変に声を荒らげたり暴力を振るうのはなんか違う気がする。
