第9章 捌ノ刻~百年来の友~
数日後-
一「ギャアァァ!!!」
テ「む! 店長! 神崎殿! 黒崎殿が目を覚ましましたぞ!」
お! 開口一番元気な声が響くねぇ。傷口が開いちゃうよ。
浦「…あんまり動くと死にますよン」
一「ゲタ帽子…と、お前はあの時の!」
「あー…まあまあ落ち着いて」
彼の目には、ルキアちゃんを攫った死神の一人だと見えているはず。そりゃ声を荒らげるよね。
一「お前…何でここにいるんだ」
「…んー、ルキアちゃんを助けるため?」
一「はぁ!?」
浦「まあまあ…そこはアタシから説明しましょう」
一「…なるほど、よくわかんねぇけど、アンタはルキアを助けたい側ってことでいいんだな?」
「ざっくり話せばそうなるね」
よかった。見た目ちょっと怖いから、話通じない十一番隊隊士みたいだなとか思っていたけど、そんなことなかった。
一「じゃあ、アンタなら尸魂界に行く方法、分かるんだろ」
「もちろん、死神だし」
一「じゃあ早く行こうぜ! ルキアはあっちでいつ殺されるかわかんねぇ-からよ!」
浦「おっと…その為にはまず、戦い方を学ぶ必要があります」
一「はぁ!? 何でだよ!」
「黒崎一護くん、今キミは霊力の発生源である魄睡と鎖結を破壊されているわけ。つまり、簡単に言うと死神の力がないただの魂魄」
一「…!?」
「そんなんで尸魂界に乗り込んでもお話にならない。まずはなくした霊力を取り戻さなきゃ」
一「…」
浦「理解できましたか黒崎サン? アナタには10日間で死神の力を取り戻し、戦闘の経験を積んでもらいます」
一「…わかった。やってやろうじゃねぇか!」
「まずは、その怪我を全開にしてからだね」
浦「それじゃ、懍サンにも働いてもらいましょう!」
「ん?」
浦原商店地下-
一「…なんだ、ここは?」
「"勉強部屋"だよ。意味わかんないオーバーテクノロジーで造ったヤツ」
一「それを一般的に犯罪って言うんじゃねぇか?」
「大丈夫。喜助くんがおかしいだけだから。死神、もうちょいマトモだから」
まさか、修行内容を一任されるとは思わなかった。「懍サンなら何とかなるッスよ! よろしくお願いしますねぇ」とか何とか言ってくれちゃって。