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BLEACH~The Thunder God~

第6章 伍ノ刻~友の結び~


八番隊隊舎 自室―

特筆するような家具もない、殺風景な自室に帰ってきた。ベッドと本棚と机で構成された部屋だ。今日は、鍛錬だったり仕事のお手伝いだったり、身体と頭を働かせて疲れてしまった。ベッドに潜れば、すぐに寝てしまうだろう。

空はまだ赤く、夕方。少し本でも読みながら、時間でも潰そうかなと思い、本棚に手をかける。本棚には百年前の本がある。自分の本棚だが、歴史を感じるなぁ。背表紙を確認し、手をかざしながら動かしていると、ある本を見つけた。

(…これ、懐かしい)

自然と手に取ったそれは、自分が真央霊術院時代に使っていた教本だった。軽く千年ほど前のものだ。あの頃の私は、まだ若かったなぁ。京楽隊長や浮竹隊長と比べたら、今も私は若いと思うけど。

なんて昔に思いを馳せていたら、後ろから声がかけられた。

伊「あら、神崎さん。もう戻られていたんですね。大丈夫ですか、お身体の方は」

「ああ、伊勢副隊長。お気遣いどうも。何も問題ないですよ」

伊「そうですか、良かったです」

と、笑顔を向けてきた。しばしの沈黙ののち、彼女は私の手の中にある本を見つめた。

伊「その本は?」

「これですか? 私が真央霊術院の学生だった頃に使っていた教本です。割と古いヤツなので、伊勢副隊長が使っていたものとは、少し違うかもしれませんけど」

伊「隊長から聞いていましたけど、同期…なんですよね?」

「ええ、まあ…そうですけど」

伊「…神崎さんは、どんな学生だったんですか?」

「うーん…あんまり話したくないけど…。今とは相当違う性格だった…かな?」

伊「そうなんですか?」

そのように渋々真央霊術院時代の話をし始めようとした時に、さらに後ろから声がかけられた。

京「あれ、懍ちゃん。帰ってきてたんなら言ってよぉ。それに七緒ちゃんも…2人で何話してたの?」

伊「神崎さんの学生時代のお話を伺っていたところです」

学生時代? と言った京楽隊長は、私が持っていた教本を見つけ、少し懐かしそうな顔を浮かべた。

京「コレ、懐かしいねぇ。まだ懍ちゃんが無愛想だった頃を思い出すよ…」

伊「無愛想…?」

京楽隊長は、私のベッドに腰を掛け、さらに続けて口を開いた。
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