第2章 壱ノ刻~昇進~
二番隊隊舍
夜「ほぉーそうかそうか。お主が零番隊に…いや、当然じゃろう」
二番隊隊長隠密機動総司令官及び同第一部隊刑軍統括軍団長“四楓院夜一”は呟く。
「…あまり驚かないんですね」
夜「当然と言ったじゃろう。その霊力は類い稀な才能じゃ。他の死神とは違う」
「私の霊力、そんなに違うものなんですか?」
皆、口を揃えて私の霊力は隊長格よりも高いと言う。
それほどまで違うものなのかな…?
夜「霊圧を抑えてそれとは、畏れ入る」
「夜一さんも大概ですよ」
夜「儂は隠密機動じゃ。霊力は高くなければいけないじゃろう?」
「あぁ…瞬閧ですか。あれ疲れません?」
夜「普通会得出来る者は限られておるのに、お主は難なく自分のものに…しかも儂よりも強力に仕上げおって。面目がたたん」
「いやぁ照れるなぁ」
夜「屈辱じゃ。いつか雪がせてもらう。それはともかく、何時瀞霊廷を発つのじゃ?」
「三日後です。じい様が気を使ってくれたようで」
夜「意外と早いのう。それならば、砕蜂にでも挨拶しておいてくれぬか?」
「砕蜂ちゃんに?…どうして?」
夜「あやつ、お主を目標にしているようじゃ」
「夜一さんが目標なんじゃ…」
夜「儂には敬愛の念じゃろう。目標と敬愛は違う。自らが目指す道を教えてくれるのが目標じゃ」
「分かりました。では私はこれで…」
夜「まぁ待て。もう少し居ってもいいんじゃぞ」
夜一さんがまだ居てもいいなんて言うのは珍しいな。
なんかちょっと嬉しい。
「いいですよ。何かお話でもしますか?」
夜「うむ…お主、また少し成長したの?」
「勿論。ただ斬魄刀をブンブン振り回してるだけじゃ…」
夜「違う違う。体のことじゃ」
「体?…まぁ成長してるんでしょうけど…」
夜「うむ。成長したのぉ。主に胸が」
「は?」
夜「儂は嬉しいぞ。お主のような才色兼備に、女の象徴である胸が宿ってくれてのぉ」
「今まで胸が無かったみたいな言い方やめてくれませんかねぇ?…少なくとも貧乳じゃなかったでしょう。乏しい胸ぶら下げてなかったでしょう」
夜「どうじゃ、一度刑戦装束を着てみぬか?」
「この会話の流れだと、邪な思いしかないでしょう。着ませんよ」
夜「残念じゃのう。また次の機会にでも…」
「だから着ませんって」