第6章 伍ノ刻~友の結び~
瀞霊廷を離れて霊王宮にいる。さまざまな資料をもう一度見直したが、見つけることができなかった。もうここまでくると仕方ない。私はもはや諦めの域に達していた。
『温まるぅ~』
麒麟殿の温泉に雷切と一緒に浸かっていた。普通の温泉も有って非常に助かる。心身共に癒される。
『結局、収穫無し…。これからどうするの?』
「全ての資料を探っても出てこなかった。…もう普通に生活していく上で考えていくしかないって」
やはり地道にピースを拾い集めるしかないのだ。最初から答えが分かれば苦労しない。事件を起こした奴等は、証拠を隠蔽し、今も化けの皮を見せずのうのうと暮らしているに違いない。
私はあの時斬魄刀で貫かれた。少なくとも、死神であることに間違いない。そして、あの人数の隊長各を同時に虚化させたんだ。同じ隊長各の共犯者がいると考えていい。一体何が目的だったのかは不明だが…。
『そう重く考えなくてもいいんじゃない? 生きていればそれでいいって』
「そうなんだけどね…」
『身体が資本だし、無茶しないでよ?』
「分かってるよ。ごめんね、心配かけて」
雷切にも、他の人たちにも心配をかけてしまったんだ。今度はやらかさないようにしないとね。きっと首謀者側も私を警戒しているはず…。無闇に事を大きくしたくない。
修「本当じゃぞ? …二度と妾に心配をかけるな。心の臓が悪い」
「うわぁ! …びっくりしたなぁ。何時からいたんですか…」
修「ここに入った時じゃ」
「つまり最初からじゃないですか」
修「お主の身体に見とれてな。…ふふふ」
『…怖いなあ』
最近、修多羅さんがおかしい。もしかしたら元々ヤバイ人なのかもしれないが…。どうやら私の身体を狙っているようだ。勘弁してほしい。
修「可愛いのぉ。美しいのぉ。絶世の美女じゃな」
温泉の湯煙に隠されているが、華奢な身体だということが分かる。火照って紅くなった頬に白い肌、黄金色の髪の毛に紺碧の瞳は、軽く男を悩殺するほどに美しい。
「はあ…。ありがとうございます」
『あまり懍を口説かないでほしいんだけど…』
修「ほう…。嫉妬か?」
『別に嫉妬じゃないですぅ~』
修「安心せい。お主も美しいぞ」
『ウザいですぅ~。うるさいですぅ~』
「いや、うるさいはこっちの台詞ですけど」