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BLEACH~The Thunder God~

第5章 肆ノ刻~一時の平和~


雛森さんは、私を資料の列の本棚に連れてきてくれた。

雛「ここからここが、百年前の資料です」

「ありがとう、雛森さん。助かりました」

雛「いえいえ。では私はこれで…」

そう言い去ってしまった。そこは確かに百年前の資料が載っている冊子だった。しかし、肝心の“あの事件”については何一つ載っていなかった。他の冊子でも探したが、これといった情報が無かった。まるでその部分だけ“抜き取られている”ように…。



私は図書館を出て“あの事件”の現地に向かった。しかし、何も残っていなかった。それはそうだろう。何せ百年前の出来事だ。今ではその場所には、木々が青々と茂っていた。

(何も無い…か)




私は帰路についた。八番隊の自室に着いて、部屋の整理をし始めた。京楽隊長が気を使ってくれたのか、はたまた片付けるのが面倒になったのか、どちらにせよ百年前と家具やら何やらが全く同じ配置のままだった。ベッドの下を見る。あの時のエロ本が置いてあった。
吸い込まれるようにベッドに倒れ込んだ。

(…お酒も呑んじゃったし、早く寝れそう)

その思い通り、すぐに眠りに就いた。



窓辺から射し込む日の光で目が醒めた。今、百年前の事件を知るような死神はあまりいないだろう。
私はさまざまな隊舎を巡り、現在の護廷十三隊に挨拶することに決めた。幸い隊長副隊長には私が八番隊第五席であることは知られている。失礼になることはないだろう。



二番隊隊舎前

「相変わらずピリピリした雰囲気だなぁ」

私は二番隊隊舎に入ろうとした。しかし、門の前に立っていた刑軍に止められた。

大「てめェ、勝手に二番隊隊舎に入ろうなんざ、良い度胸してるじゃねェか」

豪華なアクセサリーを付けた大男に止められた。確かに私の存在は知っていても、私の容姿は分からない人が多いかも。でも別にどうにかしてまで隊舎に入る理由もない。諦めて踵を返そうとした。

砕「大前田…。何をしている。客なら丁重にもてなせ。そんなことも出来ぬのか、貴様は」

大「ええぇ!?」

砕「貴様が出来ぬのなら、私が案内しよう。八番隊第五席、こちらに来い」

「は、はい。ありがとうございます」

大「はあ!?コイツ八番隊第五席なんスか?……別に隊長が案内しなくても…」

砕「『コイツ』と言ったか?」

砕蜂ちゃんが鬼の形相に変わった。
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