第5章 肆ノ刻~一時の平和~
京「懍ちゃん、久しぶり!…いや~綺麗になっちゃってもう」
「お久しぶりです隊長。隊長は少し老けました?」
京「ダンディーになったでしょ~。それも、懍ちゃんに会えるのを待ってたからだよ」
「すみません。お騒がせしました」
京「本当だよ。もうボクの前から勝手にいなくならないでよ?」
「零番隊である以上、それは無理ですが」
京「死なないでってこと。キミが強いのは分かるけどさ…」
数年の訓練を経て、瀞霊廷に戻ってきた。もう霊圧を完璧に抑えることに成功し、虚化の持続時間の特訓もした。数時間は持つようになったし、戦闘力も抜群に上がった…筈です。
私は真っ先に八番隊隊舎に向かった。するとその道中で京楽隊長と出会った。
京「これから呑もうってトコロなんだけど…どう?」
「仕事は?」
京「ええ~いいじゃん。呑み仲間も紹介するよ?百年前とは随分顔ぶれが変わったからねえ…」
「はあ…。仕方ないですね。今回だけですよ?」
京「え、いいの!?…よし、懍ちゃんを酔わせてボクが介抱させる展開に…」
「全部聞こえてますよ。一回殴っていいですか?」
案外飲み屋まで遠くなかった。京楽隊長と一緒に暖簾を潜り、ついていった。すると向こう側で金髪の女性と筋肉質な好青年と麒麟寺みたいな前髪の青年が手を振っていた。
松「あ~京楽隊長、こっちです」
京楽隊長のあとを追い、私は隊長の隣に座った。久しぶりの飲み屋で落ち着かない。加えて初対面の人たちと呑んだことがないので、緊張した。
檜「コッチの女性は?」
京「ボクんトコの五席。カワイイでしょ。あげないよ」
「私はアナタの所有物ではありません」
吉「五席っていうと…病気で寝たきりだったっていうあの?」
京「そうだよぉ。すっかり元気になって、ボクは嬉しいよ」
檜「そうか。俺は“檜佐木修兵”ってんだ。九番隊の副隊長をやってる」
九番隊…。この人が久南白副隊長の後釜…。左頬の69って、六車隊長のことかな?
というか、私は病気で寝たきりっていう設定なんだ。百年寝たきりって、普通死んでるようなものじゃないかな…。
他の二人はそれぞれ、三番隊副隊長“吉良イヅル”。十番隊副隊長“松本乱菊”と名乗った。