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BLEACH~The Thunder God~

第2章 壱ノ刻~昇進~


『そんなに心配なら、私と勝負する?』

悪戯な笑みを浮かべながら、私の身体を更に強く抱きしめた。

『久々にこっちに来たんだし、ただ話していくだけじゃ勿体無いじゃん?』

私の斬魄刀は何時もそうだ。私と会えば勝負勝負と、命のやり取りをさせたがる。
それほどまでに、私と戦いたいのか。はたまた、別の理由があるのかは分からないが。

「もう卍解も会得してるし、屈服させる意味もないと思うんだけど?」

『今度こそ、そう簡単に屈服してあげないんだから!あれは油断してただけなんだから!』

「神様が油断って…。威厳がないんじゃない?」

目に見えるくらい、彼女の顔が赤く熱くなっていくのが分かる。相当怒ってるなぁ。
こんな簡単な挑発に乗るくらい、私の斬魄刀は幼い。しかし、どんな斬魄刀よりも強い…と思う。
さすがに“流刃若火”とは互角な戦いをするだろうけど。

『早く抜きな!私の方が強いって分からせてあげるんだからっ!』

面倒だけど、致し方なし。私は斬魄刀を抜いた。

勝負は一瞬だった。私に向かって正面から突撃してきたところを、斬魄刀で受け止め白打で屈服させた。
これは彼女が弱い訳ではない。彼女が振り落とした一刀は、風を切り雲を割き並の死神ならばこの一振りで絶命しただろう。

だけど私にとっては、脅威ではなかった。

振り下ろすほんの僅かな時間に、斬魄刀に鬼動を練り合わせて強度を上げ、彼女の刀を弾いた。その隙を突いて屈服させる時にも素手に鬼動を練った瞬閧を浴びせた。
夜一さんに『お主の瞬閧は並大抵のソレとは違う』と誉めてくれたソレを。

『ぐっ…』

「うーん。やり過ぎちゃったかな?」

斬撃での怪我ではないので、治療は容易に行えた。私は彼女を抱えながら、戦いの余韻に浸っていた。

『あーあ。何で私の主はこんなに強いんだろう…。もう少し弱ければ、卍解も会得させないし、一方的にボコボコに出来るのに…』

「怖っ…。普段そんなこと考えてたの?…良かった。アナタの主が私で」

『はぁ…。私ももっと強くなりたいなぁ』

「斬魄刀の中では最強クラスなんでしょ?…強いじゃん」

『普通斬魄刀ってさ、主よりも強くていざという時に頼りがいのあるものなんだよぉ!それをいとも容易く…』

「まぁまぁ。そんなに怒らないでって。お陰でちょっぴり心の憂いも晴れたからさ」
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