第8章 彼女が大事すぎて
(琉夏ちゃん…)
琉夏ちゃんが私の手をきゅっと繋いでくる。
今夜もただ寄り添い眠ろうとする彼の優しさと、合図である繋がれた手にどこかホッとしてしまう自分に。
「…っ」
何だか泣きそうになってしまった。
カレンたちが言っていた『言葉よりも気持ちを伝える方法』。
肌を重ねなくとも、こんなにも強く伝わるのに。
『わかってる』だなんて言いながらわかっていなかった。
自分が感じていたよりも遥かに、私は琉夏ちゃんに大切にされているんだ。
美奈子『つ…っ!』
気付けば目頭が熱くって、彼の温かい胸に涙が零れていた。
気付かれない様にと涙を堪えるのに、肩がつられて震えてしまう。
暫く何も言わず黙っていた琉夏ちゃんが、私の身体を胸から引き剥がした。
「何、泣いてんの」
「…っ、泣いてなんかいないもん…!」
「思いっ切り泣きながら嘘をつかない」
「泣いちゃ駄目だなんて言われないから…っ」
「ったく、どこまでお前は…誰も泣くなとは言ってないよ」
「…っ、今言ったじゃない…」
「声を殺してまで泣くなって言ったんだよ」
琉夏の口調に涙を溜めた瞳で見上げれば、そこには驚く程優しい瞳があった。
「何だよ、お前は今からそんなヤリたがりでどうすんんのさ……」
「変な言い掛かりはヾ(〃>_<;〃)ノ ヤメテヨ!…っ』
「冗談だよ。…っとに、あんま誘わないで」
眉根を寄せ溜め息をつく仕草とは真逆の、どこまでも優しい瞳。
琉夏は美奈子の前髪をそっと掻き上げると額にちゅっと軽くキスを落とした。
そして再び引き寄せると、ぎゅっと力強く抱きしめる。
「いきなりどうしたわけ……言ってみて」
温かくて広くて、トクントクンと聞こえる琉夏の心臓の音。