第8章 彼女が大事すぎて
「あ、の…琉夏ちゃん…?」
「明日はビーチ行こか」
琉夏は枕に俯せに横になると、ぼふっと琉夏の隣にある枕を叩いた。
「ほら、早くこっちおいで、手出して』
『手を出して』は琉夏が本当に眠りにつこうとする合図だ。
告白を受けてから琉夏と共に一つのベッドで寝る時は、琉夏は必ず手を繋いで眠りについている。
それは肌を重ねずとも、掌からでも十分お互いの温度を伝え合える。
そう思っているかの様な。
「琉夏ちゃん…」
こんなにも大事にされてる、そうわかっていても強張る身体。
段階を経て次へと進まなきゃいけない心が、琉夏の優しさに胸が締め付けられ、無理して飛び越えようと焦る。
「あの、ね、琉夏ちゃん…っ』
「ん?どうした?」
「私、その…大丈夫だよ」
「?。何が?」
横になる琉夏の側まで近付き、ちょこんと座る。
『?』と見上げる琉夏に、意を決して一世一代の台詞を口にした。
「私…もう心の準備…出来てるから…っ」