第1章 初キス騒動
その頃、琉夏たちは
WEST BEACHの琉夏の部屋にいた。
何か言おうとしても言葉はピシャリと琉夏によって跳ね除けられる。
その代わりに投げ付けられたら鋭い言葉に美奈子はビクッと身体を震わせた。
ーー怒っている。
普段感情の起伏がまるで見えない琉夏から、明らかな怒気が発せられるのを初めて見る。
その威圧感に身体が硬直するのを感じた。
「で?俺とのキスは拒否する癖にコウとはできるわけ? 」
「ち…ちが…」
冷たく言い放たれるその言葉にふるふると首を振るも、琉夏は射抜くような瞳を逸らさない。
「何が違うの」
「だって…琉夏ちゃんが…」
「俺が?」
「男性経験が無い女は面倒臭いって…」
「…は?」
そこで漸く琉夏の瞳から怒気が消え、驚いたように見開かれた。
「…この間も…初めてだって知ったら溜息ついてたし…、こないだ焼却炉まえでも経験が無い女は面倒だから嫌だって…言ってたし。…だから、コウちゃんに頼んで…初めてを終わらせようと思って…いたっ!」
その瞬間パチンと額を指先で弾かれた。
その痛みに思わず額を覆って涙目のまま琉夏を見上げた。
「い…痛いよ…!」
(´。> ﹏ <。`)
恨めしげに琉夏を見上げて唇を尖らせると、琉夏が呆れたように息を吐いた。