第6章 嫉妬
二人で暮らす家に着くと
美奈子は怖ずと様子を伺いながら、礼も言わねばとそっと言葉を切り出した。
「琉夏くん、さっきはありがとう」
「ああ、気にしなくていいよ。美奈子も嫌な思いをしたろ」
「うん…。でもまさか琉夏くんがお店に来るなんてびっくりした。どうしたの?急に……」
「いや、予定より少し早くにバイト終わったから、に聞いていた店も駅前だし、迎えに行こうと思ってさ。まぁ、お前に早く会いたかった気持ちもあるけど……」
「そうだったんだね」
「それより男が同席していたとは思わなかったな。美奈子ね姿を探してたら理不尽な物言いをされてるし……」
「あの…そのことなんだけど、実は私も知らなくて……」
そう言い掛けたとき琉夏にギュッと抱きしめられたのが分かる。
それにハッとして琉夏を見たなら、正面にある琉夏の瞳が金髪の前髪の隙間でゆらりと揺れたのが分かって―――…。
「……久しぶりに怒りに全て任せたいと思ったぐらいだ」
「…琉夏く…っ、ん!」
それは押し付けられるようにして塞がれた唇での口づけ。
突然強く塞がれた唇は柔らかな弾力を感じる間も無く、挿入された舌に思考を瞬時に奪われる程に深く熱い。
琉夏の唇に舌に…美奈子に息継ぎする合間すら与えずに重なっては口腔を愛撫して……。
普段の穏やかな琉夏らしい、優しく慈しむような口づけとは違い、感情を打つけてくるような荒々しい口づけ
「…ん、琉夏くんっ!」
「ごめん、だけど……正直自分が自分じゃなくなるような、それ位にまであの時……」
「…琉夏くん…」
「美奈子、お前に触れていいのは俺だけだ。それにいつ今日のような危険があるとも限らないし、なるべく男を交えた交際の場に行って欲しくない……と言ったらお前は困る?」
「そんな…困るわけないよ…私だって知っていたならあの場には行かな……つ、んんっ」