第6章 嫉妬
明日からの大学の連休。
琉夏とゆっくり過ごせる時間が出来た。
琉夏も美奈子も大学とアルバイトを両立させており同じ家に住んでいても、なかなかゆっくり出来てずにいた。
明日からずっと二人で過ごそうとの提案に心踊りながら美奈子も琉夏も楽しみにしていた。
世話になり無下にも出来ない大学の先輩に『女子会行かない?』と誘われ、途中で切り上げる事も事前に了承してもらい参加した訳なのだが……。
(琉夏くんにも事情は説明していたけど…まさか合コンだったなんて…。先輩に騙された)
参加してしまえばこっちの物だと当の先輩はと言えば素知らぬ顔、酔いもテンションも良い具合になった男性陣達に足止めをくらい、中々途中退場を許して貰えない。
琉夏が飲み会の場所に迎えに来る、その約束の時間まで差し迫った今、美奈子はこうして席を離れてみたのだが。
「何が何でも帰らなくちゃ…よし、今からもう一回先輩に言って早く帰ろう」
馴染みの店で馴染みの面子での女子会だと思えば、きっちり自分を含めて同じ頭数の揃った男性陣。
合コンだと知ってから琉夏にその内容までを伝えてはいない事にも引け目を感じる。
美奈子はお手洗いを後にすると、数回流されてしまった帰宅の意志を改めて先輩に伝える為に座席に戻ろうとした、その時。
「遅かったね~。あ、もしかして彼氏と電話だったとか?」
「え?」
お手洗いからフロアに出るまでの狭い通路、そこには飲み会の相手である男性が、一人壁にもたれてニコニコとこちらに微笑んでいる。