第1章 初キス騒動
悶々と考える事、三日。
其処で美奈子はある一つの考えに辿り着いた。
「コウちゃん…いる?」
教室を覗き込み、その名前を呼ぶ。
今日は居ないのか…と諦めかけた時、背後から声が掛けられた。
「何か用か。」
「あ…」
ビクッと肩を震わせて振り返ると、そこにはいつも通り目つきの悪い琥一の姿。
「あの…急に…ごめん…」
「どうした?」
見た目で怖い、乱暴者と言われてる琥一だが、なんだかんだで面倒見がよく漢気がある。
意を決して琥一の元に来たはずなのに、どうしてもその姿を見れば決心が鈍りそうになってしまう。
しかし、ずっとこのままモヤモヤ悩んでいるわけにも行かないと、ぎゅっと拳を握り琥一を見上げた。
「あのっ…コウちゃんっ…お願いがあって…!」
「…何だ?」
静かに問い返す琥一を見上げると怖気づいてしまいそうになるものの、なんとか自分を奮い立たせた。
「あのっ…そのっ…私と…キ…キスを…してくれないかな」
「は…?」
クラス中にも聞こえてしまい
みんな時間が止まったように動かない。
「「「…………(꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ (꒪ꇴ꒪ ;)エエエッ?」」」
「なに?どういうこと??」
「どうなってんの?」
他の生徒がザワザワし出す。
恥ずかしくて恥ずかしくて顔から火が出そうになる。
そして、そんな美奈子の言葉に普段表情を変えない琥一の目が見開かれた。
「…と、突然こんなお願い…してっ…ご、ごめん! で…でもっ…コウちゃんにしか頼めなくてっ…」
「ちょっ…お前こっちこい!」
琥一に手を引かれその場を去る二人にクラスメイトがさらにザワザワしていた。