第1章 初キス騒動
((…今回ばかりは琉夏ちゃんが面倒臭がりで良かったかも…))
そんな事を考えながら、心の中でこのまま男子生徒が諦める事を祈っていると、不意に琉夏が思いがけない言葉を口にした。
「…嫌だよ。そもそも、その参加する女って男を知らないお嬢様学校でしょ?」
((…!))
「お、お前っ…なんて!」
その言葉には、物陰に隠れている
美奈子も、目の前にいる男子生徒たちも目を見開いた。
男子に関してはあまりの驚きに更に口をあんぐりと開けてぱくぱくさせている。
「…男の経験が無い女の相手なんて本当に面倒だから嫌だ」
「なっ…! る、琉夏っ!!」
「おいっ!頼むって!」
しれっとそれだけ言うと琉夏はサッとその場から去って行った。
その場に残された男子生徒たちは悔しそうに声を上げ、物陰に隠れていた美奈子はゴミ箱を抱えたまま呆然とその場に立ち尽くしていた。
「…そっか…やっぱり面倒…だよね…」
経験の無い女は面倒だと言い切った琉夏の言葉が胸に突き刺さっていた。
溜息を吐かれた時点で面倒なのだろうとは思っていたが、ああもはっきりと言葉にされるとザックリと胸を抉られたような気持ちになってしまった。