第1章 初キス騒動
結局あの後から琉夏には殆ど会っていなかった。
サボり癖がある琉夏をいつも探して教室まで連れてきたりしていたが、
何となく顔を合わせにくいと言うのも有り、あえて探しに行く事もしなかった。
そんなある日の事。
焼却炉までゴミを処理するため、ゴミ箱を抱えて歩いて居た美奈子の耳に、話し声が聞こえて来た。
「琉夏っ…! 頼む!」
「…嫌だよ面倒くさい。何で?」
「頼む! お前にしか頼れないんだ!」
何やら押し問答を繰り返して居る琉夏と男子生徒数名の姿。
いつも通りの姿と言えばそうだが、今日はなんだかその会話が妙に気になってしまう。
立ち聞きなんて良くないと思いながらも、陰に隠れてその会話に聞き耳を立てた。
「なんで俺がわざわざ合コン参加しなきゃ行けないわけ」
「仕方ないだろう!合コン参加の女子たちの参加条件が、お前だと言われたら断る訳にも行かないだろう!」
「なあ、頼むよ!」
話しを聞けば、合コン参加するには琉夏の参加が絶対条件といわれてる。
男子生徒は琉夏に泣きついているらしかった。
「…コウ行かせなよ。あいつもモテるから。
俺は断る」
「女の扱いはお前が一番なれているだろう!」
「席に座ってるだけでいいから!」
先程からずっと、「頼む」「嫌だ」を繰り返しており話しは一向に進む様子は無かった。
美奈子としても、今気まずい状態であるとは言え恋人になれた琉夏が合コン参加するなんて考えたくも無かった。