第5章 魔法使い
その頃
琉夏WEST BEACHにいた。
「本当にパーティーを抜けて良かったの?」
心配性な彼女に頷く琉夏が、ベッドに腰を下ろすと『はぁ』と困惑気味に口を開く。
「正直、良いか悪いかわかんない」
「だったらどうして……」
「自分でもわからないけど、そうしたくなった……いや、勝手にそうしていたかも」
「……?」
自分自身に問答するように呟く琉夏に、美奈子は『?』と小首を傾げながら彼の傍に歩み寄る。
ベッドに腰掛ける琉夏と向かい合って立つと、美奈子は目線を同じくする為、その場に膝を折ってしゃがみ込んだ。
自分を心配そうに様子を伺い見る美奈子、その頬にそっと手を添えると、琉夏が自嘲気味に小さく微笑む。
「本当はパーティーを抜け出すことはダメだと思う」
「……うん」
「だけど今夜のお前を他の誰にも見せたくなかった」
「え…?」
「お前が……そんなに綺麗なのは反則だ」
「琉夏ちゃ……、んっ」
頬に添えられた右手、そこに左手も添えられると、顔を包む琉夏の大きな手が美奈子の顎を上向かせた。
次の瞬間には唇に落とされる柔らかな温もり、
それは啄むように二、三度繰り返され、次第に挿入された舌によって熱く深いものへと変わっていく。