第5章 魔法使い
「琉夏ちゃんにそう言ってもらえて嬉しい。大胆かなってちょっと心配だったんだけど……」
気恥ずかしい素振りで手にしたクラッチバックをそわそわと何度も持ち替える美奈子、その普段の彼女らしい仕草と愛らしさはそのままだ。
だからこそ妖艶なドレスに化粧、サイドに纏められた髪からうなじに垂れる後れ毛とのギャップが尋常ではない。
普段より長く太めに引かれたアイライン、色味の濃い口紅にと化粧も今夜は少し違えば、ほんのり香る香水は引き寄せられるような甘く芳醇な匂い。
胸元が大きく開き、ボディラインもはっきりと分かるデザインでもいやらしくなり過ぎない洗練されたシルエット
それが彼女の純真で素朴な可愛らしい仕草に面立ちとを色艶帯びて増しさせ、琉夏ですら掛ける言葉を失ってしまった。
カレンが元気に
会場へ乗り込むぞ!とウキウキしてる。
「カレン、なんか楽しそう。」
「だって…
これから起こることを想像したらね♪」
美奈子の仕上がりに満足気な琉夏、そんな琉夏にに満足気なカレン。
そんな二人とみよに挟ま囲まれ会場へ向かう美奈子は今だ気恥ずかしさが取れずに俯いてしまう。
「どうした?何をそんなに恥ずかしがってるの?」
「やっぱり着慣れないから、その、自分でも不思議というか……」
「そんな事か、いいから顔を上げて。似合ってると言ったしょ?」
「う、うん…」
「……俺ですら知らないお前がまだまだいるんだな」
「え?」
「お前は俺を何回恋をさせるき?」
「恋?!」
「今日のお前に、また一目惚れをした。
そういう事だよ」
先導して歩く自分の背後から聞こえる琉夏と美奈子との微笑ましいやり取り、それに振り返らずにカレンが目元を細めた。
だがこれで終わる訳が無い、彼女に黒のドレスを宛がった当初の目的は他の連中にしらしめてこそだ。
暖色系に寒色系、色調は様々にだが共通して可愛らしく柔らかなパステル色を似合うと言い合っていた連中に、妖艶に艶めいた美奈子をお披露目してからが見物であろうーーーー