第5章 魔法使い
琉夏は屋上での会議について思い出していた。
たまたま琥一とサボりXmasパーティどんなご馳走が出るのかと話をしていると嵐とニーナ、
そのあと聖司が気分転換に屋上にきて、会長が『君たちは、何を悪巧みするつもりだ。』と加わり、
話しは冒頭に戻る。
『黒いドレス』を着せたいとカレンに伝えたのは琉夏自身だが、殆どはカレンに任せた。
恐らく他のやつらも予想だにしない、今までに無い美奈子の魅力を自分が引き出したいとカレンに伝わったのだろう。
ならばと『魔法使い』がドレスを世界的有名なゴローに頼み早急にオーダーした物は、飛び切り今までに無い彼女でなければならない。
コンコン
「琉夏くん?入るよ。
バンビの支度が終わったよ~」
「ああ、どうーー」
!!
扉の前には、魔法に掛かった美奈子で、更にその美しさに魅了される琉夏
その瞬間を目の当たりにする、こんなに愉しい事は無い。
「……美奈子……」
先に部屋へと姿を見せたカレンとみよ、その背後から俯き加減に怖ずと姿を現した美奈子に、琉夏は目を丸く見開いた。
「ええっと……どう、かな……(><)?」
その初めて見る彼女の姿に驚きからか、琉夏はリアクションすら忘れてただただ見取れる事しか出来ない。
そんな様子の琉夏を見たカレンが、笑みを吹き出したい衝動を堪えて飄々と尋ねる。
「琉夏王子如何でしょう。王子様のお見立ては今回も美奈子様に大変良くお似合いになられてるかと思いますが」(・∀・)ニヤニヤ
そこで漸く琉夏がハッと我に返る。
『コホン』とわざとらしく咳込む前置きを挟み、目のやり場に困ったように視線をさ迷わせた琉夏は、口を開いた。
「あ、ああ……俺に間違いはなかった!」
「本当?ドレスに負けしてるみたいで……」
「そんな事ないよ」
「え?」
「悪くない……っていうか良く似合ってる。」
「え、あ…ありがとう」
視線を左右にと泳がせていた琉夏も、それには美奈子に面と向かって言い切る。
当の本人は至って謙遜しているが、今夜の彼女の姿を見た全ての者が目を奪われるだろう。