第5章 魔法使い
「それはもう、バッチリ良く似合うに決まってるじゃん!琉夏くんも楽しみに待ってるわよ」
『じゃあ、みよとまとあとで来るね』、そう言って部屋を後にして行ったカレンは、何処か楽しげな様子にも見える。
だがそこに違和感を覚えるよりも先に、このドレスの配色に違和感を覚えてならない。
……
………
ノックする音が聞こえ返答すると
大胆なスリットが入った青いドレスを着たカレンと、ピンクのフワフワしたドレスを着たみよ。
美奈子の姿をみた瞬間に思わず絶句してしまった。
カレンは支度を手伝った本人でもあるが。
「あの、どうかな?……やっぱり変だよね?」
不安気にカレンたちの顔を伺い見る美奈子に『とっても素敵!』、そう直ぐ様答えようとするもついつい見取れてしまい、何拍か置いた後に漸く口を開いた。
「……バンビ、ごめん。あまりも似合いすぎて、つい見とれてしまう……本当に綺麗」
「琉夏くんの予想以上だわ」
「予想以上?」
「あ…いや、こっちの話し。じゃあ行こうか、琉夏くんも支度が済んだみたいだから」
「う……ん」
先程よりも幾分カレンの様子が楽し気だ。
それもその筈、カレンが琉夏から受けたオーダーは『黒いドレス』、それだけだった。
どんなデザインか、またどんな風なイメージに化粧も髪型も合わせるか、細かな要望も希望も琉夏からは聞いていない。
あくまでも今回の大胆なフォルムなデザインのドレスは、カレンから琉夏へのサプライズも込められている。
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その頃…
琉夏はカレンが用意したパーティー用の服装に着替えて今か今かと美奈子を待っていた。