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ときめきメモリアルGS3 短編

第5章 魔法使い



「黒なんて初めて……しかもデザインも大人っぽいし」



光の加減によっては碧み掛かってさえ見える漆黒のドレスは、光沢感の抑えられた上品な生地に飾り気の一切無い至ってシンプルなデザインだ。

だが華美さを抑えた分、その大胆なカットに目を奪われる。

袖を通さずとも分かる大振りに開いたデコルテ、身体のラインが浮き彫りになるであろう流れるようなマーメイドライン。

普段はシフォン地やジョーゼット地の愛らしくふわんとしたシルエットが多かった中、目の前にあるドレスは何処からどう見ても妖艶な『大人の女性』な印象を受ける物で。



「いつもの感じと全然違うけど……何でまたいきなり?」


学園主催のパーティーやイベントに招待されるその都度、美奈子のドレスはみよ、カレン、美奈子自身で選んでいる。



それが今回私服でも着た事が無いような大人びたラインの真っ黒なドレスを宛がわれた、それに美奈子は小首を傾げる。




「確かに琉夏ちゃんにエスコートされる女性なら、こんな素敵なドレスを着こなせるような大人っぽい人が似合うんだろうけど……」



だからと言って幼さが残ると自覚までしている自分が、露骨なボディラインの漆黒のドレス等、まさか似合うとは到底思えない。



(遠回しに大人っぽくなれって言われてるのかな……)



ドレス一着でそこまで深読みしてしまう、だがそれ程までに真っ黒なドレスを見立てられるという事が初めてだから仕方ない。

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