第5章 魔法使い
「花椿、お願いだから、今言った色のドレスを用意してほしい。ドレス用意出来たら前もってオレも見に行くから。あと当日はそれに見合うようにあいつを頼む」
金髪王子様の自覚無い嫉妬心からの頼み事に、魔法使いはそれはそれは楽しそうに微笑みました。
「りょ~かい、王子様♪」
魔法使いカレンは最高に素敵な魔法を彼女にも、王子様にもかけました。
「……黒?」
陽も暮れ掛けた頃、パーティーの支度手伝いにきたと部屋に現れたカレン。
カレンが『今日は可愛いから脱却して、イメチェン!』、そう言って掲げたドレスに美奈子が目をぱちくりと瞬いた。
「珍しい色だね、今日は黒なの……これも琉夏ちゃんから?」
「そう。可愛らしいバンビにどうしても、今日はイメチェンしてほしいって。
これも琉夏くんが実際に見て選んだドレスだよ」
「そうなんだ……」
琉夏から、
『ドレスは自分に任せてほしいから
当日まで楽しみにしてね♡』言われたことを思いだす美奈子
カレンが鏡台に化粧道具や髪飾りを並べていく中、美奈子は椅子に座ると鏡の中の自分をジッと見つめる。
(私なんかが本当に似合うのかな……それに、あのドレスって着たら相当体型が出るよね……)
鏡の中の歳相応な自分。
ドレスを前に戸惑う美奈子とは対照的にカレンは、にっこりと微笑むと、彼女の支度を手伝っていかく。
途中途中
「バンビ最高!」
「やっぱりスタイルいい~
さすが私のバンビ♡♡」
メイク、髪の毛と支度を手伝いながら興奮気味のカレン
赤い口紅と艶増しのグロスを塗った
「ヤバっ、私が襲いたくなる…」
「あの、カレン」
「ん、な~~に?」
「私……似合うかな?大人すぎない?」
困惑の色を顔に浮かべる美奈子に
カレンは間髪空けずに満面の笑みで言葉を返した。