第5章 魔法使い
高二の12月
学園主催のXmasパーティが行われる
屋上で琉夏を含めた6人が
とある人物の事で議論をしていた。
「美奈子ちゃんってさ、やっぱピンクじゃない?女の子らしくって可愛い感じがいいと思うんだよね~」
琉夏たちより一学年下のニーナである
それを聞いたもう一人、生徒会長が言いました。
「確かに彼女には似合うだろう。だが僕としては芯も強く美しい彼女には薔薇のような赤も映えるかと思う」
更にその場に居合わせた男子も次々に意見を口にしていきました。
「そうか?あいつには青とか緑とかハッキリした色が似合うだろ。」
「まぁ、何だっていいんじゃないか?……オレンジも良さそうだな。それより寒い」
最後には彼等の話を静観していた男子も会話に加わる。
「……なんだかんだで白ってイメージ……?」
例の如く口火を切った一人の男子生徒による『美奈子ちゃんって可愛らしいイメージだよね?』、事の発端はこの一言から始まり。
『Xmasパーティーに彼女は何色のドレスを着るのか』と屋上会議。
最後に『純白』という何ともごもっともな意見が飛び出した事で皆が一様に納得し、男子生徒たちの話はそこで一旦区切りを打ちました。
―――が。
「……」
一人面白くないと感じてる男子生徒。
金髪が目印の桜井琉夏である。
((俺の彼女なんだけど、コウまで想像してんだよ))
確か美奈子は、カレンにドレスを借りると楽しみにしていた様子を思いだす琉夏
場所を変えて、目的の人物を探す
「あ!おーい花椿。」
「……ん?琉夏くんじゃん?
私に何か、ごよう?」
金髪の王子は、花椿カレンに事情を説明しました。
『可愛らしくて芯も気も強く、清純で奔放』。
桃色に深紅、青に橙に純白に。
それら、同学年、先輩、後輩が彼女に抱いていたイメージが自分と同じだという事に合点がいきません。
自分が一番彼女を深く知っていると自負していただけに、彼女の内面や似合う色彩を言い当てられた事。
これが不満で不服で仕方ない金髪の王子様は、魔法使いにお願いしました。