第11章 ボディーガード?番犬?オオカミ?後編
だがそれも幾分か慣れてきた頃、泳ぐ視線を定めようと湯船から飛び出す彼の膝頭に美奈子が何の気無しに目を留めた。
その流れのまま彼の脚を目で追ったなら、そこには痛々しいまでに腫れ上がる怪我があって―――……。
「琉夏ちゃん、足どうしたの?」
「ん?」
「ここ、凄く痛そうだけど……何処かにぶつけたの?痣になってるよ?」
「あー、それか。忘れてた」
「忘れてたって……ぼこって腫れてるし、凄く痛そうだけど……大丈夫?」
「へーき、平気。見た目が大袈裟なだけで大して痛くもないし、本当に大丈夫だよ。心配してくれてありがと」
ちゅっ、と頬に柔らかなキスを与えられるも、美奈子から見るに全然「大丈夫」なんかじゃない。
琉夏の膝下、脛部分が浮き上がるように腫れていて、肌も赤黒く変色してしまっている。
こんな怪我を目の当たりにしては、今しがたまでの羞恥心などは嘘のように消え去ってしまう。
美奈子は琉夏を振り返ると、心配気に眉を寄せた。
「でも、冷やした方がいいよね。氷とか……あ、確か湿布があったと思うから今用意して……」
―――と、
次には美奈子の身体がぎゅうっと抱き締められた。
まるで「それ以上の心配は無用だよ」とでも言いたそうな琉夏の腕に、美奈子が戸惑いがちに彼を見遣る。
「琉夏ちゃん?」
「ホントに大丈夫だよ。それより、そんな事言っちゃって美奈子ってば、先にお風呂から出ようとしたでしょ」
「違うよ。そういうんじゃなくて私は、ただ……」
「それよりさ、お風呂でイチャイチャ……してもいい?」
「え?」