第11章 ボディーガード?番犬?オオカミ?後編
「……美奈子のエッチ~」
「違……!ご、ごめんね琉夏ちゃん!タオルを用意するの忘れちゃってたから…っ…ここに置いておくね」
琉夏の突っ込みに、恥ずかしさからカアッと耳まで熱くなる。
美奈子はタオルラックの一番上に大判のバスタオルを置くと、その場から逃げるようにそそくさと踵を返した―――が、
ガシッ。
「つーかまーえた♪美奈子、確保~!」
「ちょ、ちょっと琉夏ちゃん…っ…?」
「俺のセクシーショットを覗いておいて、美奈子ってばタダで帰れる訳ないでしょ?」
「別に覗いたつもりじゃ……!」
背後から琉夏にがしりと抱き締められ、美奈子の心臓がドキッと跳び跳ねた。
自分の胸元には衣服の袖の無い、剥き出しな彼の腕が確と回っていて、背中にはぴっとりと逞しい胸板が寄せられている。
不意打ちな抱擁に美奈子の胸はドキドキと鼓動が煩くて、高鳴りは耳鳴りみたいに鼓膜をも震わせている。
琉夏は美奈子を背後から抱き締めながら、その肩にちょこんと顎を乗せると、彼女の顔を覗き込んで上目に囁いた。
「美奈子も一緒に入ろ?」
破裂しそうな心臓にトドメを刺すが如くな琉夏の提案。
それには美奈子の顔も流石にボッと発火してしまう。
「…え…!」
「あれ?驚くところ?そのつもりで入って来たんじゃないの?」
「違うよ、だから私はタオルを置きに来ただけで…っ…!」
「えー?そうなんだ?でも、せっかくだし一緒に入ろ。俺も美奈子と一緒に入りたいし」
「入りたいしって言われても……」
「何事も一人よりは二人でって言うでしょ?二人一緒ならお風呂も楽しいし。はい、決まりー!」
「ちょ、ちょっと待っ……琉夏ちゃん!」
逃げ出そうとドアノブに掛けた手は琉夏にやんわりと払われ、脱衣所のドアは強制的にかちゃりと閉ざされてしまった。