第10章 ボディーガード?番犬?悪いオオカミ?前編
程無くして建物へと入っていく美奈子の後ろ姿を確認した琉夏が、男性も居なくなる頃合いを見計らい、自分もまた移動しようと姿勢を正した。
――――瞬間、
「……チッ、何なんだあの女」
「ほら、だから無理だって言ったろ?」
「ったく!いけると思ったのによ。
ほら約束のやつ。」
「諭吉ちゃん、GET!ありがとな。」
ザッと足場の芝生を蹴飛ばし、吐き出す美奈子への暴言。
「誰だよ。ローズクイーン"落ちやすい"っつーからよ、てっとり早く女作れると思って声掛けたってのに……何が大好きだ!何がはば学のローズクイーンだ!あの女、この俺を振りやがってよ……!」
「ははっ、今月ピンチだったから助かるわー
サンキュー」
「クソっ!マジでついてね~」
それは耳を疑う声。
ザッザッと芝生を蹴飛ばしながら、たった今の今彼女に愛を告げたその口で暴言を吐く、信じられない言葉達―――だ。