第10章 ボディーガード?番犬?悪いオオカミ?前編
「おわっ?!な、何……?!」
「あの!突然すみません!今って少しだけお時間貰えたりしますか?!」
「へ?俺?」
背後から急に誰かに腕を掴まれ、驚いて振り返る琉夏にズズイッと詰め寄る二人の女子。
彼女達は琉夏の顔をまじまじと見詰め、きゃあきゃあと興奮気味に騒ぎながらカメラを構えている。
「私達、大学新聞なる物を製作してまして!次の企画の"キャンパスイケメングランプリ"に是非あなたを推したいなと思ったんです!よろしければ取材をお願い出来ませんか?!」
変装とはいえメガネと帽子だけでは、琉夏の容姿は隠せていなかったようで
「え?あーいや……」
「ああっ、それから写真も一枚いいですか?!」
「いや、写真はちょっと……俺ちょ~っと急いでるんだ。ごめんね、また改めて……」
「そうおっしゃらず!あなたみたいなAAAレベル、最上級イケメンがこの学校にいたなんて……!絶対グランプリ確実ですから!」
「どこ科の何年ですか?!」
「えーっと、だからその、あのね?……って、あれ?美奈子?」
ふと前方を見れば、そこに美奈子の姿が無い。
「あちゃー……見失った?」
彼女達に捕まっている間の、ほんの僅かばかり目を離した隙に美奈子の姿を見失ってしまった。
カシッと頭を掻いて気を落とす琉夏、だが美奈子は今から講義だ。
後を付けたからといって流石に講義までは受ける訳にはいかない。
何れにせよ、一旦は離れる事にはなるのだが―――。
「まいったな……その教室がわかんないんだよなぁ」