第1章 初キス騒動
どの位そうしていたか、美奈子
の唇に散々口付け漸く満足すると、ちゅっと濡れた音を立てて唇を離した。
「…はぁ…っ…琉夏ちゃ…ん…」
慣れない口付けに翻弄された美奈子は頬を染めながら、くたり…とその腕の中に身体を預け、潤んだ瞳を琉夏に向けた。
「…悪かったよ」
「……え…?」
濡れた美奈子の唇を拭いながら、
琉夏が小さく呟く。
その言葉の意味を理解するまでに一瞬間が空くものの、美奈子は目を丸くして琉夏を見上げた。
「…美奈子を面倒だなんて思ってない」
「ぁ…」
「俺だって、こんなに欲しがったのは初めてだから…。許して」
「え…」
その言葉が、以前自分が大勢の中の一人だと言った事に対してだと気がついた。
普段考えの読めない琉夏からの不器用な謝罪に、胸の内側がじんわりと温かくなる。
「これ以上は美奈子心の準備出来るまで待つから」
「…琉夏ちゃん…」
きゅっと琉夏の腕に抱きしめられ、その暖かさにホッと力が抜ける。
その胸に顔を埋めると、ぎゅうっと背中に手を回した。
「…私もごめんなさい…。やっぱり初めては琉夏ちゃんじゃなきゃ嫌」
「フッ…当たり前」
「…ふふ」
「じゃ、仕切り直しね」
「えっ…?」
すっと身体を離した琉夏に両肩を抱かれ、それが先程のキスのやり直しなのだと気付き、美奈子の頬は赤く染まる。
「ほら、目瞑って?」
「うん」
美奈子がゆっくりと瞼を下ろせば、柔らかな唇を琉夏のそれがゆっくりと塞いだ。