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【OP】掌の隙間から水が零れ落ちるように、

第2章 いつだって神様は 私に微笑んでくれたことはなかった



声が聞こえた方を見ると、そこには男の子2人。

「おい見たかエース!あの姉ちゃんが花見つめたら花びら戻ったぞ!」
「見てたようるせーな!声でけぇよ!」

どうやらあの2人は、私が個性を発動してるところを見ていたらしい。人の気配をよむ練習もしなくてはいけないな…と自分の課題を付け加える。

「なあなあ姉ちゃん、なんて名前なんだ?」

ハットを被った男の子が名前を尋ねて、私へ近付いてくる。その後ろから、もう1人の雀斑の男の子がやってくる。

「…私は還無だよ。君たちは?」
「俺はサボ!こっちはエース!還無は悪魔の実の能力者なのか?」

ここの世界は呼び捨てがスタンダードなのか?10までは違わなさそうな子たちだが、どう見ても年下の子に呼び捨てされる…。

「…そうだよ。」

そして、ひとつ嘘をつく。きっとこの個性は、シャンクスさんたちが言っていた 悪魔の実 ということにしておいた方が良いのだろう。別の世界から来て、実はこれ個性なんだ、なんて普通の人なら信じられないだろう。

「へー、すっげーな!もっと見せてくれよ!」

そう、明るく他のものを見せてくれと強請るサボくん。それとは正反対に、こちらをただ睨み付けてくるエースくん。

「…おいサボ、こいつ信用ならねぇし早く行こうぜ。お前もあんま、ここに来るなよ。ここは、俺らの場所だ。」
「そうだけど、こいつから嫌な感じはしないぞ?」

ヒーローを目指す私から、嫌な感じが出てしまっていたら是非とも教えてほしい。

側に寄ったサボくんとは違い、離れたところで嫌悪感を剥き出しにするエースくんに、ちょっとだけイラッとしてしまったのも事実だ。

「………」
「な、なんだよ!」

私はその距離感のまま、エースくんを見つめた。

「……これで良いかな?このことは、内緒だよ。」

「…!」

私はエースくんの腕にあった傷の刻を戻して、治したのだ。

「すげえ!還無そんなこともできるのか!」
「……傷が、ねぇ…」

さっきまであった傷がなくなったことに、驚愕しているサボくんとエースくん。きっとこの2人も何か理由があってここにいるのだろう。

「…強くなりたいから、また、ここに来ても良いかな?」



(20191022)
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