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ドラゴンボール/ラディッツ/地球人ヒロイン

第2章 一緒に


そう言いながら自分の手に流水をかけてくれた
その冷たさで徐々に火傷の痛みが引いていく
水を止めると赤くなった指先を見た
同じようにしてラディッツがその長身を屈めて手を見つめている

「少しヒリヒリするくらいで大丈夫です」
「!?……あ、ああ、そうか」

そう言うと、彼が慌てたように手を離してこちらから視線を逸らした
視線を彷徨わせながら片手を腰に当てて口を開く

「薬……塗っとけ」
「はい。薬を塗ったら着替えを出しますね。シャワー、どうぞ」
「……」

その言葉に無言で頷き、キッチンを出た
リビングを通って廊下に続くドアを開ける
後ろ手にドアを閉めるとシャワールームに近付いた
その数歩手前で足を止めると自分の手を見る

「あいつの手……小せえな」

自分の手に比べ、折れそうなほど細い指
今まで異性と触れ合った事が無かったせいか、手首が細いのにも驚いた

「そういや、身体も細かったな」

昨日、ルクリアを抱いて飛んだことを思い出してそう呟く

「あいつ……俺が居なくなったら……寂しがる、か?」

あの人懐っこい笑顔が曇ってしまうだろうか
ラディッツは手を軽く握ると小さく息を吐いた

「本当は俺が……」

底まで口にして言葉を飲み込む
言ってしまえば自分が彼女から離れられなくなるような気がした

「……俺は……馬鹿だな」

溜息混じりにそう呟き、シャワー室へと入る
洗面台に手をつくと鏡に映る自分を見た
戦闘にしか興味が無かった自分がこんな気持ちを抱くとは

「……サイヤ人だろ、しっかりしろ」

ラディッツは鏡の中の自分にそう声を掛け、深く息を吐いた
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