第23章 勝負の2日間(巻島目線)
その後は合流し3人でまた富永の自宅へ帰った。
富永の母には東堂から昨日のうちに説明をしていたようで、もう一泊する手筈が整っている。
夕食を済ませ、風呂に入り部屋で寛いでいると東堂が俺が気になっていたことを話し始めた。
「いやー、ふられてしまったよ。この俺が女子に振られる日がくるとはな!ワッハッハー」
その言葉に息を詰まらせ少し俯く。
「ん、巻ちゃん?どうした?」
「そんな、無理して笑わなくてもいいショ」
「無理などしてはおらんよ!俺は自分の気持ちをちゃんと茉璃に伝えられた。それだけで十分だ」
そうは言ってはいるがどことなくぎこちなく見える東堂はやはり少し無理をしているように見える。
だが、そんなところを見られたくはないのだろう。
俺はそれ以上追求するのをやめた。
「明日は巻ちゃんの番だな!ちゃんと準備しておけよ?まぁ俺は巻ちゃんと違い、隙などこれっぽっちも見せないがな!ワッハッハー!」
高笑いして挑戦的な態度を取る東堂はいつもの東堂だ。
少しそれに安心しつつどうやって告白をしようか頭を巡らせる。
そしてその日は考えても仕方がないという結論に至り、俺は布団に入るのだった。