第22章 観光二日目
着替えも終わり、すでに着替え終わっている2人の元へ向かうと、何故か2人とも黙り込んでしまった。
(髪もアップしてメイクも少し変えたんだけど…変だったかな?)
少し不安に思い俯くと、すぐに尽八の驚いたような声が耳に入った。
「なんというか…物凄く似合っているぞ、茉璃」
その言葉につられて巻島さんも感想を言ってくれる。
「その…すげー…綺麗ショ」
お世辞だとわかっていてもとても嬉しい2人の言葉についついはしゃいでしまう。
それにしても、2人の浴衣姿もなんとも美しい。
周囲の目線を全て集めてしまっている。
その場にいることがなんだかいたたまれなくなり、早く行こうと少し小走りに前を進むと、履き慣れない下駄のせいですぐに前に転びそうになってしまった。
「おっと」
すぐに気づいて支えてくれたのは巻島さんだった。
『すみません!ありがとうございます』
「そんな急がなくても、ゆっくりみて回ればいいショ」
そう言いながら巻島さんは自らの右手をこちらに差し出す。
私は緊張しながら差し出されたその手に自分の左手をそっと重ねた。
すると、巻島さんは満足げにそのまま私の手を握り歩き始める。
(長瀞山の時みたいにはぐれないようにって、手を繋いでくれたのかな…?)
そんなことを思い首を傾げていると、その光景に気がついた尽八が「あー!!!」と叫びながら尽八も私の右手をガシッと握る。
(これは…なんだろう…両手に花…的な?)
その側から見たらおかしな光景だろうこの状況に頭が追いつかず素っ頓狂なことを考えていると、尽八が私の手をお参りに行こうと引っ張る。
その後は金魚すくいの店へ行き掬えた数で勝負したり、揚げ鷄や抹茶アイスを食べたりと様々な場所を巡った。